【眼科医監修】弱視の子どもにメガネが必要になったら？使える補助金や選び方まで詳しく解説

子どもの弱視治療用メガネの一般的な相場は、レンズを含めた一式価格で3万円から4万円程度です。ただし、相場はあくまで目安で、実際に選ぶレンズやフレーム、保証の有無によって幅があります。

治療用メガネは、単に視力を矯正するだけでなく、治療効果を最大化するために、通常のメガネよりも耐久性や機能性が重視されます。

そのため、特に度数が強かったり、壊れにくい素材を選んだりすると、価格が5万円を超えるケースもあります。

正確な費用については、眼科医の処方箋をもってメガネ店で相談すると良いでしょう。

弱視治療用メガネの値段に差が出る主な理由は、レンズやフレームの仕様、技術料、保証内容などが異なるためです。

具体的なポイントを、以下の表にまとめました。

弱視治療用メガネには、健康保険の「療養費支給制度（償還払い）」が適用され、費用の一部が払い戻されます。条件を満たせば、実質的な自己負担を抑えてメガネを作れます。

制度の概要を、以下の表にまとめました。

弱視治療用メガネを選ぶときは、サイズとフィット感が大切です。デザインや色はもちろん気になりますが、治療効果を十分に得るためには、まず機能面に注目しましょう。

顔の形に合っていないメガネをかけると、動いたときにずり落ちたり、レンズの中心を正しく通して見られなかったりします。ピントがずれた状態が続くと、視力の発達が妨げられ、弱視の改善に時間がかかるおそれがあります。

選ぶ際は、鼻パッドがしっかりと鼻にフィットしているか、テンプル（つる）が耳の後ろで安定して支えられるかを必ず確認しましょう。

活発に動く子どもには、ずれにくい構造のフレームや、耳にやさしくフィットするケーブルテンプル（耳に沿って曲がるつる）付きのタイプもおすすめです。

子どもの弱視治療用メガネは、日常の動きに耐えられる丈夫さと、長時間かけても負担にならない軽さを重視して選びましょう。活発に遊んだり走ったりする子どもにとって、壊れにくく快適な素材を選べば、治療を続けやすくなります。

主なおすすめ素材は、超弾性樹脂（TR-90）やチタンです。

超弾性樹脂は、軽量で柔軟性があり、小さな子どもにも適した素材です。医療用カテーテルや哺乳瓶にも使われる安全性の高い素材で、赤ちゃんから使える商品もあり、特に小さな子どもにおすすめです。

チタンは、強い力が加わっても折れにくく、調整がしやすい点が特徴です。金属でありながらアレルギーを起こしにくく、耐久性と快適性を兼ね備えています。

成長とともに顔のサイズも変わるため、定期的にメガネ店でフィッティングを受け、掛け心地を確認しましょう。

メガネを購入した後も、アフターフォローや保証が充実しているメガネ店を選ぶのがポイントです。弱視治療は数年にわたる長期的な治療となるため、無理なく通える環境を整えておくと安心です。

以下に、店舗選びの際に確認しておきたい主なポイントをまとめました。

子どもがメガネを嫌がるときは、無理にかけさせるよりも、嫌がる理由を見極めて丁寧な対応を心がけましょう。

鼻や耳が痛い、フレームがずれるなどの不快感がある場合は、メガネ店でフィッティングを調整し、軽くて柔らかい素材のフレームを選びます。

見た目の変化を気にして、友達にからかわれるのではと不安を抱く子どもも少なくありません。

家庭や学校では、メガネをかけることを特別視せず、前向きな声かけが大切です。必要に応じて、園や学校の先生にも協力を依頼し、周囲が一緒に見守る体制を整えましょう。

また、子ども本人が気に入るデザインを選び、かけた姿を褒めて自信を育むのも効果的です。よく見えれば目が育ちやすくなり、疲れにくくなるなど、弱視治療の意義をわかりやすく伝えると、受け入れやすくなります。

どうしても抵抗が続く場合は、眼科医やメガネ店に相談し、フィッティングの見直しや別のフレームを検討してください。

活発に動く年齢の子どもでは、「メガネをすぐ壊してしまうのでは」と心配の声もよく聞かれます。

壊れにくさを重視する場合は、素材選びが重要です。医療用にも使われる超弾性樹脂のフレームは、弾力性が高く、軽量かつ衝撃に強いのが特徴です。転倒やぶつかったときでも変形しにくく、顔への負担も少なく済みます。

また、購入時には保証制度の内容も確認しておきましょう。

メガネ店によっては、レンズの度数変更や破損時の修理・交換に対応する保証を設けています。なかには、有料で保証期間を延長できるサービスを提供している店もあるため、必要に応じて活用するのもおすすめです。

壊れにくい素材と手厚い保証を選んでおけば、子どもがのびのびと過ごしながら、安心してメガネ治療を続けられるでしょう。

弱視治療を終える時期は、子どもの視力や両眼視機能が安定し、医師が治療の終了を判断するまでが目安です。

一般的には、6〜8歳頃までに治療を始めると効果が出やすく、できるだけ早い段階でスタートすることが望ましいとされています。

以前は「10歳前後で視力の発達が止まる」と考えられていましたが、近年の研究では10代でも改善が見られる場合があると報告されています。ただし、年齢が上がるほど回復には時間がかかる傾向があるため、早期治療が基本です。

自己判断でメガネの装用や訓練を中断すると、回復した視力が再び低下するおそれがあります。必ず医師の指示に従い、定期的な受診を続けてください。