【眼科医監修】子どものメガネデビューはいつから？見極めるサインと取り入れるべき習慣

子どもの日常の行動で、以下のような様子が見られた場合は注意が必要です。

• テレビに近づいて見る
• テレビを見るときに目を細める
• 遠くのものがぼやけると訴える

目を細めると、ピントの合う範囲が広がり、遠くのものが見やすくなります。

また、近くも遠くもピントを合わせにくい「遠視」の可能性も否定できません。読書や勉強が長続きしなかったり目の疲れを訴えたりする場合は、すぐに眼科を受診しましょう。

学校の視力検査で「眼科受診のすすめ」の通知を受けた場合は、眼科を受診してください。

学校の視力検査で視力が0.7を下回ると眼科受診を勧められます。これは、後ろの席から黒板の文字がはっきりと見える視力の目安が「0.7」とされているためです。

上記の数値よりも低い状態が続いた場合、子どもの集中が持続しなくなるケースもみられます。子どもの生活におけるパフォーマンスの向上を図るためにも、なるべく早めに眼科受診を検討してください。

子どもの目の度数に合ったメガネを作るには、眼科医との相談が欠かせません。適切な度数を見極めるには専門的な知識が必要だからです。

眼科医は、病気の有無も含めた総合的な診断のもと、子どもに合った度数を的確に判断します。視力測定だけでなく、目の病気の有無や一時的な視力低下なども含めて、詳しく診察してもらえます。

度数の合わないメガネを使い続けると、視力低下を招く恐れがあります。安全にメガネを装用するためにも、メガネを作る際は眼科を受診しましょう。

子どものメガネを選ぶ際は、サイズや素材に着目するのがおすすめです。

フィットするメガネを選ぶことで、長く快適に使い続けられるため、メガネへの抵抗感を軽減できるでしょう。一方、メガネのサイズが合っていない場合は、視力矯正の効果が十分に発揮されなかったり、鼻や耳が痛くなったりする可能性があります。

メガネを選ぶ際は、フレームの幅やつるの長さ、鼻パッドなどのパーツが子どもに合っているかを確認しましょう。目とレンズの位置にずれが生じていないか、レンズの幅も大切な要素です。
また、子どもはメガネの扱いが丁寧ではない場合もあり、フレームが変形しやすいので、頑丈なフレームを選ぶことも重要です。

メガネ選びでは、子どもの気に入ったデザインを選んであげることも大切なポイントです。

子どもがメガネを嫌がる理由の一つに、メガネの装用に対するネガティブな感情があります。たとえば「メガネはダサい」「メガネをかけて友だちから嫌われたくない」などです。

そのため、自分で選んだお気に入りのメガネであれば、抵抗感や不安が軽減できるだけでなく、愛着がわいてポジティブな気持ちで使えるでしょう。

近年のメガネは、カラフルなフレームやトレンドを意識したくすみカラーなど、さまざまなデザインが販売されています。子どもの気持ちを尊重して、毎日使いたいと思えるような、お気に入りの一本を見つけてあげましょう。

子どもの視力を守るためには、定期的に視力測定を受けて現状の視力を把握することが大切です。

成長期の子どもの目は、体の成長とともに変化するため、見る環境が悪いと視力が低下する可能性があります。とくに小学校高学年から中学生は著しい成長がみられ、勉強時間やパソコン・スマートフォンの使用時間が増え、近視が進行しやすい年齢です。

一般的な目安として、半年に1回あるいは2〜3ヶ月に1回のペースで視力測定を受けるとよいでしょう。ただし、上記はあくまで目安であり、子ども一人ひとりの目の状態や生活環境に応じて、視力測定の頻度は変わります。

かかりつけの眼科医と相談しながら、子どもの成長に合った適切なペースで視力を管理しましょう。

子どもの視力は変化しやすいため、目に合った度数のメガネを使うことが大切です。

子どもの眼球は、からだの成長とともに変化をします。眼球の成長に合わせて目の度数も変わるため、目に合った度数のメガネを用意しましょう。

度数が合わないメガネをかけ続けると、ものをはっきり見るために目が無理にピントを合わせようとし、目に負担がかかります。ときには、目の疲れから頭痛や肩こりが生じることもあるでしょう。

また、お子さんの成長速度は著しく眼球だけでなく顔の幅も変化していく場合もあります。メガネを選ぶ際は、お子さんへの負担を減らすために度数だけでなくフレーム、サイズを見直す事が重要です。

メガネを新しく作る際は、眼科医を受診後、メガネ店にて処方箋を渡せば簡単に作ることができます。目の健康を守るためにも、古いメガネを使い続けたり、度数の弱いメガネを選んだりするのは避けましょう。

視力低下の主な原因の一つは、近くのものを長時間見続けることによる目の負担です。近くのものを見る際に距離を保つことや目を定期的に休める時間を組み込むなど、視力低下の進行を予防する行動を心がけましょう。

たとえば、以下の取り組みがおすすめです。

• 屋外活動を取り入れる
• 本やタブレットなどを見るときは目から30cm以上離す
• 30分ゲームをしたら5分休憩など、定期的に目を休ませる
• 明るすぎず暗すぎない照明を選ぶ

子どもが熱中しているときは、積極的に声をかけて目を休ませる時間を確保してあげましょう。

近視を矯正するためのメガネに、公的な補助金はありません。近視用メガネの購入費用は自己負担となります。

ただし、弱視や斜視などの「治療」として医師からメガネが必要と診断された場合は、補助が受けられます。補助の対象となるには、9歳未満であることや医師による証明書の用意など、いくつかの条件を満たす必要があります。

子どもの近視のメガネに関する補助金について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事：【眼科医監修】子どもの治療用メガネに活用できる補助金とは？条件と申請の流れを解説

子どもにメガネをかけさせることに抵抗を感じる保護者の方は少なくありません。見た目や年齢を理由に躊躇される気持ちもあるでしょう。しかし、子どもの視力が発達する大切な時期にメガネを取り入れて視力を矯正することは、将来的な視力安定のために重要です。

快適な視界は、学習活動や運動など日常生活全般における負担を大幅に軽減できます。また、近年の子ども向けメガネは、軽量化や使い勝手の向上に配慮した製品も豊富に揃っています。子どもの健やかな成長のためにも、眼科医と相談しながら最適な選択をしていきましょう。

「メガネをかけると目が悪くなる」は、誤解です。

メガネは、視力にかかわる機能の発達をサポートするために使われる道具であり、必要な時期に装用することで視力低下の予防を支えます。子どもが目の不調を訴えるのであれば、眼科医に相談し、メガネの必要性を確認しましょう。

目に合わないメガネの装用は、視力低下だけでなく頭痛や吐き気などの体調不良を引き起こす可能性があります。定期的に視力検査をし、子どもの目に合うメガネを用意してあげましょう。